余命38日、きみに明日をあげる。

陽だまりはとても暖かい。

持ってきたブランケットも必要なさそう。

今日みたいな日のことを、小春日和っていうんだっけ。

顔を上げて校舎に目をやれば、ちょうど廊下を歩いている歩美ちゃんの姿を見つけた。

どことなく元気がないように見えるのは、昨日の告白が原因だろうか。

そういえば、未だ歩美ちゃんからは何も報告どころか、メッセージひとつこない。

「……琉生に告白したの、歩美ちゃんなんだ」

そんな姿を見ながら、ポツリと言葉を落とした。

しょっちゅううちのクラスに来ている歩美ちゃんが琉生を好きなことは、一花だけ
じゃなく、かなりの人が知っている。

「マジか。それで?」

一花が身を乗り出す。

「琉生につき合いなよって言ったら……怒っちゃった」

「……っ、そりゃあ……怒るでしょ……」

一花は、琉生の気持ちが分かるとでも言うように言った。

私がそのまま黙っていると、

「ねえ……こんなこと言うの、おせっかいだとは思うんだけどさ」
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