余命38日、きみに明日をあげる。
私と一緒にいると、制限されることだらけ。
病気のことを知っているから、なおさら気を使わなきゃいけないはず。
「荷物を持ってくれたり、ゆっくり歩いてくれたり、なにかとフォローしなきゃけいけない。この間だって、星野さんに言われもしなくていいことを言われちゃって……」
思い出しただけでも申し訳なく、私はうつむいた。
大きな雲が流れてきて、足元に影を作った。
いくら暖かくても、さすが12月。日陰に入ると、途端に寒くなる。
「バカ莉緒っ!!」
大きな声に、はっとして顔を上げる。
「莉緒は、私のことそんな風に思ってたの? 私は莉緒が大好きで、一緒にいて楽しいからそばにいるんだよ……なのに、そんなこと言われると悲しいよ」
一花は怒っていた。本気で怒っていた。その目には、うっすら涙も浮かんでい
る。