余命38日、きみに明日をあげる。
ただ、笑顔にしたくて
学校からの帰り道、いつもは遠回りして通らないbonheurの前を通った。
店からは、オレンジ色の温かい光が漏れている。
それが目に入った時、懐かしさで胸がいっぱいになった。
医者になると決めてから、避け続けていた店。
足を止めてガラス越しにそっと中を覗けば、母さんが笑顔でお客さんと談笑している。お客さんも笑顔だ。
「ここのケーキ、すっごく美味しいよね」
「そうそう! うちも記念日のケーキはいつもここなんだ」
「やっぱり? うちも。もうすぐお父さんの誕生日だからまた買いに来なきゃ」
そんな会話をしながら、笑顔の女性二人組が店の前を通りすぎていった。
父さんの作る菓子を買いに来る人は、いつも笑顔だった。
そして、食べてまた笑顔になる。
俺は、そんな菓子を作る父さんが自慢で誇りだった。
俺も、父さんみたいになりたいと思っていた。
店からは、オレンジ色の温かい光が漏れている。
それが目に入った時、懐かしさで胸がいっぱいになった。
医者になると決めてから、避け続けていた店。
足を止めてガラス越しにそっと中を覗けば、母さんが笑顔でお客さんと談笑している。お客さんも笑顔だ。
「ここのケーキ、すっごく美味しいよね」
「そうそう! うちも記念日のケーキはいつもここなんだ」
「やっぱり? うちも。もうすぐお父さんの誕生日だからまた買いに来なきゃ」
そんな会話をしながら、笑顔の女性二人組が店の前を通りすぎていった。
父さんの作る菓子を買いに来る人は、いつも笑顔だった。
そして、食べてまた笑顔になる。
俺は、そんな菓子を作る父さんが自慢で誇りだった。
俺も、父さんみたいになりたいと思っていた。