余命38日、きみに明日をあげる。
言い合いしてもいつもすぐに仲直りしていた私たちだけど、色恋沙汰で気まずくなって、どうやって仲直りしたらいいか私も模索していた。
お菓子の魔法はやっぱりすごい。
「そういや、今夜ふたご座流星群がピークらしいよ」
「うん、知ってる! ニュースで見た」
「今日は新月だから特によく見えるっていうじゃん」
「ね! あの時みたいに空から星が降ってくるように見えるのかな」
「見えたらいいな」
昔、あんなことがあったけれど、あれからも皆既月食や流星群の天体ショーは一緒に観測した。
外にはいかず、手を伸ばせば届く距離の、隣り合ったベランダで。
「7時くらいから始まるみたいだね」
「しっかりあったかくしてくるんだぞ」
「うん、毛布被ってく!」
早く夜にならないかな。夜が待ち遠しかった。
「莉緒、じゃあちょっと行ってくるね」
お昼休み。
一花はバレー部のミーティングがあるらしく、早々にお弁当を食べ終え、教室を出ていった。