余命38日、きみに明日をあげる。

「佐久間くんは、やっぱり倉木さんのことが好きなんだろうって泣く歩美が可哀そうで見てらんないの」

灰色の空からは、いよいよ雨が落ちてきた。

それは大粒で、コンクリートに次から次へとシミを作る。

冷たい雨に打たれて、一気に体が冷えていく。

暴れ始めた心臓は、加速を続ける──

「……っ、……はぁ」

息を吸っても、体に取り込めなくてパニックになった。

どうしようっ……!

こんなところで発作が起きたら大変。

思えば思うほど、焦る体。

「ねえ、なんとか言ったらどうなの? あの時もだけど、黙ってれば済むと思ってんの!?」

胸が苦しくて、ついにその場にしゃがみ込んでしまった。

どうして、どうしてこんなときに……。

でもどうにもならない。体が動かないの。
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