余命38日、きみに明日をあげる。
「なにやってんだよ」
「演技なのまるわかりなんだけど」
女子たちの声と雨の音が、どこか遠くに聞こえてくる。
どうしよう……。薬、飲まなきゃ……。
朦朧とする意識の中、いざという時のために入れている薬を取ろうと、ブレザーのポケットに手を突っ込む。
「こんなときに体弱い子アピール? もういい加減に……」
「はあっ……はあっ……」
「……ねえ、ほんとにどうした……きゃっ! なに!?」
伸ばして触れた星野さんの足を無意識に掴んだ。
苦しい。誰でもいいから助けて……。
ズルズルと、私の体はコンクリートの上に倒れていく。
ああ、もうだめ……。
「ねえ、やばいんじゃないの……」
「え、知らないよっ」
苦しいよ……助けて……誰か……琉生……っ……。
無責任な声を聞きながら、私の意識は途絶えた。