余命38日、きみに明日をあげる。
昼休み、突然椎名から声をかけられた。
莉緒を知らないかと。
告白された後から、校内で会っても俺を避けるようにしていた椎名が、真正面から堂々と。
イヤな予感がすると言った椎名と一緒に莉緒を探していると、渡り廊下で倒れている莉緒を見つけたのだ。
『さ、佐久間くんっ……!』
目の前には、呆然と突っ立っている星野たち。
俺の姿を見ると、うろたえたようにすがってきた。
『おまえら莉緒に何したんだよ!』
『な、なにもしてないよっ、急にいきなり倒れてっ』
『んなワケないだろっ!』
聞きたいことはたくさんあったが、言い争ってる場合じゃない。
『莉緒っ! 大丈夫か!』
抱きかかえて体を起こすが、雨に打たれて冷えた体は青白く、返答はない。
俺はすぐにスマホを取り出し、その場で救急車を呼んだ。
保健室とか、先生を呼んでくるとか、そんな悠長なことをしている暇はなかった。
それは、莉緒を一番近くで見てきた俺だからわかること。まず呼ぶべきなのは救急車なのだと。