余命38日、きみに明日をあげる。
「なあ、昨日莉緒ちゃんが4組の女子に呼び出されてたって、マジ?」
「……ああ」
「うわ、こっわ!」
大げさに身震いする陸乃進。そして、周りを気にしながら囁く。
「どうせまた琉生がらみなんだろ? お前のモテ方半端ねえからなあ。あれだけ莉緒ちゃんにべったりじゃ、莉緒ちゃんも恨まれるだろうよ」
「……なんでだよ」
「おい、お前わかってなかったのか!? だとしたら相当やばいぞ。うちのマネージャーも、倉木さんがうらやましいって言ってたし」
莉緒が恨まれるっていうのは、困る。昨日のことで、確かに思い知った。
「あっそ」
わかってることを言われるほどイライラするものはない。乱雑に、カバンの中身を机にしまっていく。
「ま、モテる男もつらいよな」
この間のことがあるからか、陸乃進はそれ以上は突っ込むことなく俺のそばを離れた。
視線を感じて顔を上げると、水野と目が会った。
が、しかしすぐにそらされてしまった。