余命38日、きみに明日をあげる。
怒って当然だ。俺のせいで莉緒が呼び出しをくらい、発作まで起こしてしまったんだから。後でちゃんと話そう。
そう思っていたら、その機会はいとも簡単にやって来た。
昼休み、水野に呼び出されたのだ。
覚悟はしていたし、俺は黙ってそのあとをついていった。
「さっむ……」
連れていかれたのは屋上。
昼休みにこんな寒いところにわざわざ来るやつはいないらしく、俺たち以外には誰もいなかった。
何を言われても、弁解の余地はない。俺は水野の言葉を待った。
「昨日は……大変だったね」
意外にも、水野の俺に対する態度は柔らかかった。
「椎名さんから事情は聞いたよ。椎名さんと星野さんてイトコなんだって。それで、佐久間に振られたことを話してたみたい。椎名さんも、こんなことになるなんて思わなかったってすごく謝ってた」
「そっか」
「星野さんたちも、莉緒の様子を目の当たりにして、さすがにまずいって思ったみたい。今まで、本当に体が弱いのかって疑ってたし。で、莉緒の具合はどうなの?」