余命38日、きみに明日をあげる。

後で冷静になって、スマホにメッセージを送ろうとしたけど、なんて送ればいいかわからず結局送れなかった。

「いいよ。そんなの全然気にしてないから」

下で買ってきたのだろうか。ペットボトルのコーヒーで手を温めながら、琉生はなんてことないように言った。

琉生のそういうところが好き。

「流星群も一緒に見れなかったね。琉生は見た?」

「あ、ああ……。病院の帰りにちょっと……」

「私も見たよ、窓越しだけどね」

夜、窓の外をぼーっと眺めていると、いくつもの流れ星を確認することができた。

「一緒に見るって言ってたのにね」

やっぱり一緒に見たかったな、と思う。

「また次の流星群を一緒に見ればいいよ。毎年、いくつもの流星群が降ってくるんだから」

「うん、そうだね」

見れるかな。

私が生きている間に、あと何回流星群が見れるだろうか。
< 208 / 288 >

この作品をシェア

pagetop