余命38日、きみに明日をあげる。

すべてにカウントダウンが始まっているような気がして、最近では色んなことに対して、これが最後かもしれないって思うようになった。

でも……。

「私ね、思い出したの」

「思い出したって、何を?」

「私には、まだお迎えは来ないかもしれない」

「……どういうこと?」

琉生の顔がこわばる。

その理由はわかる。だって物騒な言葉だからだ。

私が言うお迎え……だなんて、指すのはひとつだけ。

けれど、私は思い出したんだ。

「琉生、アキちゃんって覚えてる?」

「……アキちゃん? ……あっ」

琉生は少し考えていたけれど、思い出したように顔を上げた。

アキちゃんは、小さいころからともに闘病生活を送っていた友達。ううん、戦友だ。

同い年で心臓が悪く、入院が重なることも多かったため、友達になるのに時間はかからなかった。

とても明るく活発な子で、病院内で鬼ごっこをして看護師さんに怒られたこともしょっちゅう。
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