余命38日、きみに明日をあげる。
1年の時は、友達の友達って位置づけだった。
廊下で会えば「よっ」て挨拶をしたり、共通の友人を交えてたまに遊ぶ程度。
それが今年同じクラスになり、自然とクラス内でもつるむようになったことで、グッと距離が縮まった。
波長が合い、一緒にいて疲れないし。
それは陸乃進も同じだったらしい。たまに、こういうアホなことも言うが。
「佐久間ー、ちょっと来い」
チャイムも鳴っていないのに、もうやって来た担任の川崎が、しかめっ面で俺を呼んだ。
いい話じゃなそうだ。
俺、なんかやったか?
頭の中で色々巡らせながら教室の前まで行くと、川崎はおもむろに俺の前に一枚の紙を突き付けた。
「進路調査票、出してないのは佐久間だけだぞ。すぐに提出しろ」
「あー……」
締切は確か先週だったはずのそれ。
明日明日と思っているうちに、すっかり出しそびれていた。べつに、忘れていたわけじゃない。