余命38日、きみに明日をあげる。

でも、アキちゃんとふたりなら、入院生活も寂しくなかった。

つらい検査や治療をしている時も、お互い励ましあって乗り越えた。

琉生は入院中の私のお見舞い来てくれたことがあるから、何度かアキちゃんに会ったことがある。

アキちゃんにも、琉生はイケメンだねーって言われていた。

「アキちゃんが、どうしたの?」

琉生の顔が曇ったのは、アキちゃんはもうお空に行ってしまったから。

すごくすごく頑張ったけれど、小学3年生の時に亡くなってしまった。

「アキちゃんに、誰にも内緒だよって言われてた話があるの。琉生には特別に話しちゃう」

「いいの?」

「琉生になら許してくれるはずだよ」

そのころすでに琉生を好きだった私は、アキちゃんに琉生の話をよくしていたから。

学校の友達には言えないけれど、アキちゃんにはなんでも話すことができていた。

だから、アキちゃんも私に話してくれたんだと思う。

「あのね。絶対に秘密なんだけど、死ぬ前には、死の神っていうのが来るんだって」

その存在を。
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