余命38日、きみに明日をあげる。
今は自由時間の子が多い。
本を読んだり絵を描いたり、楽しそうに過ごしている。
小さい頃の自分を思い出して、そんな光景に目を細める。
「あ、おねーちゃーん、一緒にあそぼうよー」
まだ舌ったらずの言葉で近づいてきた女の子は、私の手をぎゅっと握った。
とても人懐っこくて、私も思わず笑顔になる。
子どもの笑顔は、いつ見ても癒される。
小さい頃の夢は、幼稚園の先生だった。
「こんにちは」
私は目の高さまでしゃがみ、にこりと笑いかけた。
耳の下で二つ縛りをした可愛い女の子。
幼稚園生だと思われる彼女は、黄色いひまわり柄のパジャマがとってもよく似合っている。
「わたし、みちる。5歳になったばっかりなんだ。おねーちゃん、なまえは?」
ここでは、少しお姉さんが来ると人気者になる。それは私が小さい時もそうだった。
看護師さんたちはほどほどに、とか、なかなか自由に遊ばせてくれない。