余命38日、きみに明日をあげる。
第6章
ターゲット
莉緒に好きだと伝えてしまった。
もっと緊張するかと思った。
けれど、長年の想いをいよいよ伝えられる喜びの方が大きくて、驚くほど冷静だった。
どんな反応をされるかなんて、みじんも不安にならなかった。
この関係が壊れることなんて恐れないで、もっと早く伝えていればよかったと思うほど。
莉緒も俺を好きだと言ってくれた。
天にも昇る気持ちだった。死んでもいい……というのは不謹慎だけれど、そんな比喩がぴったりなくらいうれしかったということだ。
莉緒の願いのふたつは、結局俺がやりたいことだった。
俺の願いとイコールだったわけだ。
じゃあ三つ目も、そうだと思わずにはいられなかった。
莉緒と想いを通じ合わせること……。
だからもしかしたら、もうリストの名前は消えているんじゃないか。そんな期待がぬぐえない。
トーヤ、早く来てくれ……。
そういう時に限って、いくら待ってもトーヤは現れなかった。