余命38日、きみに明日をあげる。

***

あれからどうやって朝を迎えたのかはよく覚えていない。

気がついたら、夜が明け、ナオはいなくなっていた。

一睡もしてないくせに全く眠くない。

重い体をなんとか動かし学校へ行く準備をし、登校した。

いつものようにかかる声を適当にかわし教室についたときには、既にぐったりしていた。

見えるもの全てがぐるぐる回っている。

机に突っ伏し、すべてのことを遮断した。

俺が死んだら、莉緒はどうなる……?

ようやく想いを打ち明けて、恋人同士になれたのに。

莉緒が恋なんて出来ないと言っていた意味が、ようやくわかった気がする。

わかっていたようで、俺は何もわかっていなかったのだ。

余命を宣告されることが、どういうことなのかを。

莉緒の恐怖を、俺は初めて思い知った。

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