余命38日、きみに明日をあげる。
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あれからどうやって朝を迎えたのかはよく覚えていない。
気がついたら、夜が明け、ナオはいなくなっていた。
一睡もしてないくせに全く眠くない。
重い体をなんとか動かし学校へ行く準備をし、登校した。
いつものようにかかる声を適当にかわし教室についたときには、既にぐったりしていた。
見えるもの全てがぐるぐる回っている。
机に突っ伏し、すべてのことを遮断した。
俺が死んだら、莉緒はどうなる……?
ようやく想いを打ち明けて、恋人同士になれたのに。
莉緒が恋なんて出来ないと言っていた意味が、ようやくわかった気がする。
わかっていたようで、俺は何もわかっていなかったのだ。
余命を宣告されることが、どういうことなのかを。
莉緒の恐怖を、俺は初めて思い知った。