余命38日、きみに明日をあげる。
クリスマスイヴ
莉緒の退院はクリスマスの翌日と決まった。
俺が死ぬ次の日だ。
莉緒とはもう病室でしか過ごせない。
学校が終わったら毎日病室へ行き。たわいもない話をしてたくさん笑った。
俺の心臓が莉緒に移植されると知れば、いままで以上に心臓を気にかけた。
俺の心臓は、ちゃんと莉緒の中で機能するだろうか。
今更気を使っても遅いけど、マメに深呼吸したりして……バカみたいだよな。
最後のあがきだとしても、できることはやりたい。
どんな最後かわからないが、心臓は守らないといけないことだけはわかっていた。
明日はクリスマスイブ。
恋人たちにとっては一大イベントだ。もちろん俺にとっても。
本来なら、一番の繁忙期だから、俺も店を手伝わなければならないだろう。
でも、どうしても莉緒の病室でクリスマスをやってやりたいと言うと。
「毎年手伝ってないじゃない」
なんて母さんには皮肉られた。
「来年はちゃんと手伝いなさいよね」
とも。