余命38日、きみに明日をあげる。
第2章

大好きな人

退院した翌朝。

制服姿で家を出ると、すでに琉生は外で待っていた。

お母さんには「まだ休んだ方がいいんじゃない?」と言われたけれど、学校に行っていた方が私にとってはいろんな意味で体調は整うのだ。

理由は、琉生がいるから。
 
長い足を交差させて家の門にもたれかかる姿は、まるで雑誌の撮影でもしているモデルの様。
 
イヤホンを耳に突っ込みながらスマホを眺めている。

動画でも見ているんだろうか。私が出てきたことにはまだ気づいていない。
 
私は背後から忍び寄ると「わっ」とその背中を押した。

「うおおっ!」 
 
思った通りのリアクションに私はやった!とガッツポーズ。

琉生は、驚いたときのリアクションがすごく大きい。

コントみたいに大げさにのけぞるその姿は何度見ても笑える。

「おっはよ。琉生のリアクション、相変わらず面白いね」

「ったくよー。莉緒もガキだな」
 
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