余命38日、きみに明日をあげる。
「ところで、体は大丈夫か?」
「うん、ほらこの通り」
琉生の前にぴょんと跳ねて出ると、案の定あまりいい顔をしない。
琉生は本当に過保護だ。
「おいおい、まだ安静にしてろって。今週は休んどいたほうがよかったんじゃないの?」
やっぱり言われた。ここまでくると、もうお母さんと同じ。
でも、それは仕方がないのかもしれない。
こうなったのは、琉生の目の前で具合が悪くなったことがあってから。
一緒に見た、ペルセウス座流星群。
そんなときに限って、私の心臓は異変を起こしてしまい。琉生にはたくさん心配をかけてしまった。
私がもっと気を付けていればよかった。
目の前であんな風になったら、怖いに決まってる。
「はぁい……。でもほんとうに大丈夫だよ」
素直に琉生の隣に並んで歩く。
私は自分のペースで歩いているのに、琉生と並んでいるということは、琉生が私の歩幅に合わせてくれているから。これもいつものこと。