余命38日、きみに明日をあげる。

私は段々と顔がうつむきがちになる。

早く学校につかないかな……そう思っていると、

「やっべ」
 
琉生が、小さく呟いた。

「どうしたの?」
 
見上げれば、琉生は校門付近を見て顔をしかめている。

さらに言葉をかけようとしたとき、どなり声が飛んできた。

「佐久間あーーー!」
 
私たちの担任、川崎先生だ。

登校指導で校門に立っていた川崎先生は、鬼のような形相でこっちに向かって歩いてくる。

剣道部顧問で規律には厳しく、怒らせるとものすごく怖い先生。
 
優等生で、怒られることとは無縁の琉生が、一体どうしたんだろう。
 
川崎先生は隣にいる私には目もくれず、琉生にくってかかった。

「昨日はどうして黙って帰ったんだ! 調査票を出せと言っただろ!」

「あー、すみません」

「すみませんじゃないっ! 昨日あれだけ言っただろ」 

「今日こそ出しますよ」
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