余命38日、きみに明日をあげる。
「莉緒ー、おはよー!」
一花だ。
ショートボブの髪を左右に揺らしながら、私を出迎えてくれた。
「一花ー!」
中学から一緒の一花は、裏表のない元気いっぱいの明るい女の子。
兄が二人いるからか、男子にもズバズバ意見を言えるし、とても頼もしい。
大好きな、自慢の親友。
「今日は来れるかなーって思ったから、カバン置いてからすぐ迎えに来ちゃった!」
「彼氏みたい!」
「私が男だったら、絶対に莉緒を彼女にしてるよ」
「きゃあ~、相思相愛でうれしいっ」
ここから先、教室までは琉生と別行動になることが多い。
下駄箱前で、まだ先輩につかまっている琉生を横目に、私は一花と教室に向かった。
教室には、いつもの風景が広がっていた。
課題を忘れて焦って写している人。
朝練を終えて、すでにヘトヘトな顔をしている人。
お喋りに花を咲かせる女子のグループ。
これが日常。