余命38日、きみに明日をあげる。
琉生が私の発作のたびに病院へ来ること、おばさんはどう思っているんだろう。
申し訳なさで、恐る恐るそう口にすれば、あっけらかんとした言葉が返ってきた。
「あの子がそうしたくてしてるんだからいいのよー。それより迷惑じゃない? だったらはっきり言ってね、おばちゃんがビシッと言ってやるから!」
私の心配を一掃するような笑顔でカラカラと笑う。
普段から、明るくて元気でパワフルな人。おばさんに会うと、私まで明るい気持ちになれる。
そのとき「すみませーん」とレジからお客さんの声がかかり。
私の肩を優しくたたくと、おばさんは接客に戻った。
顔なじみのお客さんなのか、レジで談笑する声が聞こえてくる。
bonheurは、そんなおばさんとお客さんのやり取りも魅力なお店。
家庭的であったかくて。それがお菓子の味にもよく出ている。