余命38日、きみに明日をあげる。
「莉緒ちゃんの感想は、いつも的を射ているからとっても参考になるんだよ。どっかの誰かさんより。あはは」
おじさんは笑っていたけれど、どこかさみしそうに見えた。
……琉生のことだ。
その顔を見て、なんだか申し訳なくなってしまう。
『琉生はbonheurを継ぐんだもんな』
それがおじさんの口癖だった遠い昔。
琉生の目はキラキラしていて、大きくなったら琉生がどんなお菓子を作るんだろうてワクワクしたっけ。
そんなふたりに溝ができたのは、『医者になりたい』琉生が、そう言ってからだ。