余命38日、きみに明日をあげる。

ダイニングテーブルには、ラップのかけられたハンバーグが置いてあった。

おばさんが、琉生の為に夕方食事を作りに戻ってきたんだろう。

まだ温かいのか、ラップには水滴がついている。

「はい、すぐ制服を出す!」

「ちぇっ……わかったよ」

ソファーに放り投げられたエナメルからは、思った通りに適当に突っ込まれた制服が出てきた。

ブレザーを広げてきれいに半分に折り、椅子の背にかける。続けてスボンも。

どうして男の子ってこうなんだろう。

たたむっていう概念がないんだろうか。

「……店、行ってきたのか?」

テーブルの上に置いた箱に気づいた琉生が、小さい声で問いかけた。

「うん。行ってきたよ」

「そんなことして、体、大丈夫なのかよ」

……そんなことって。

「大丈夫だってば。琉生おかしいよ、いつもの発作なのに」

「でも……」
 
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