余命38日、きみに明日をあげる。
「せんぱぁい~。可愛い後輩を置いていかないでくださいよ~。また迷っちゃったじゃないですか~」
泣きそうな声でトーヤにすがる。
ナオが来たとたん、やっぱり騒々しくなるこの部屋。
「可愛いって、自分で言うかよ……」
はぁ……と、ため息をこぼしながらナオを見るトーヤの顔は完全にあきれている。
昨日も思ったが、ふたりに共通点なんてなさそうだ。
こんな対照的な二人がペアだなんて、お互いに大変だろうな。
「あ、こんばんは!」
ナオは今さら気づいたかのように、俺に向かって礼儀正しく頭を下げた。
死の神らしさなんて分からないが、トーヤのように淡々としている方がそれっぽい気もする。
ナオは、何かをやらかしかねない……そんな一抹の不安がないとも言えない。
俺の担当になるのは……悪いけどごめんだ。
「どうも」
つられて返すが、こいつら死の神は、俺の敵なのか? 味方なのか……?