余命38日、きみに明日をあげる。
「でも、そういうイベントって整理券とか必要なんじゃないの?」
日曜日は明後日。今から参加出来るとは到底思えない。
「はい。応募は締め切ってます。イベント参加は無理でも、そこにサクラさんがいるってのが大事なんですよ! 同じ空気を吸ってるとかそれだけでうれしいものです! ね、絶対行くべきですよ!」
そういうものなんだろうか。
それでも首を縦に振りかねていると、畳みかけてくる。
「あわよくば、一目見れるかもしれないですし。なにがあるかわからないですよお?」
ナオがニヤリ、と笑ったように見えた。
それは、死の神の力でということだろうか。
普通ではありえないハプニングでも起こしてくれるとでもいうのか?
「女心は女に任せてください! きっと、これが莉緒さんの願いの一つですって!」
張り切って言うナオ。
女心は女にしかわからない。
それは一理あるかもしれない。死ぬまでに大好きなモデルに一目会いたいと思うかもしれない。