余命38日、きみに明日をあげる。
第3章

幸せを願って

「マラソン大会だっるー」

「4キロとかありえない」
 
体操着に着替えながら文句が飛び交う教室。
 
今日は、校内人気ワースト1行事であるマラソン大会。

学校から徒歩10分くらいのところにある森林公園に、2キロのマラソンコースがあり、女子は4キロ、男子が6キロを走るのだ。
 
雨が降れば中止になるから、逆テルテル坊主を作ろうなんてクラスのグループメッセージが昨夜回ってきた。

けれど、今日はみんなの期待を裏切り、見事な快晴。

キレイなお日様が、そんなみんなをあざ笑うかのように笑っている。

冬の晴れの日は乾燥が寒さに拍車をかける。

吐く息が白くなってきたこの頃、今朝の冷え込みは一段と強かった。
 
私はもちろん走れないので、体育委員の人に交じって、記録係やその他のお仕事で参加することになっている。
 
全校生徒が一斉に着替えるため、今日は更衣室が使えず、隣同士のクラスの男女が入れ替わっての着替え。
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