初めて泣きたくなるくらい好きになった
 約2ヶ月前、一般受験が終わった二月の中旬に、羽田先生から「塾講師のバイトに興味ある?」と聞かれた。まだ合格発表まで二週間あった為、「返事はすぐにじゃなくていいから」と同時に言われた。

 しかし、どうしても塾講師になりたかった。いや、なる素質のある頭の良さは持っていなかったけども、憧れている人と同じ立場で働きたかったのだ。

「やります!!」

 本当に動機は不純だ。でも、わたしみたいに腐ってた人間が「生きる」ことのために頑張ろうとさせてくれた、あの憧れの人に自分もなりたいなんて思ってしまったから仕方ない。
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