初めて泣きたくなるくらい好きになった
「あっちの教室に行くんだろ、今日」

 羽田先生からの話しかけられた言葉に現実に戻る。

「あ、うん。」

 わたしが生徒だった時にタメ口であった為、どうしてもタメ口に返事してしまう。

「緊張しますねー」

 なんて笑いながら言うが、本当に緊張してしまっている自分が面白い。高校の時から様々なバイトをしてきたが、やはりはじまりはなんだか慣れない。

「まぁ、頑張ってこいや」
「他人事だと思って!」
「他人事だからな。まぁ、どうにかなるよきっと。井上はコミュ力高いし、どうにかなるさ。」

 なんて、羽田先生からのフォローに感激していた束の間、「知らんけども」なんて付け加えられて、「おい」と突っ込んでしまう。

「そういえばさ、あの先生元気?」
 と、羽田先生に聞こうとしたとき、扉がガラリと開けられ、後ろを振り返ると
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