ありきたりの恋の話ですが、忘れられない恋です
哀愁
お兄が挙げる結婚式場は、少し街から離れた丘の上にあった。
今日は、お兄の行いがいいのか⁈いやきっと、お嫁さんの結菜ちゃんのおかげだ。雨季の季節に珍しく晴天で、周りには、一切余計な建物がなく最高の景色。
その広い敷地内に、外国映画に出てくるようなチャペルとガーデンパーティーができるように緑や花で囲まれた庭のある披露宴会場。池の向こうには、お洒落なオーベルジュ。ここで、二次会をしてお兄達は一泊する。
相手もいない私が、ここで結婚式を挙げたいと思う素敵な場所だ。
まぁ、2人は付き合って約10年以上のカップルで、その間色々とあり、ようやく結婚するのだから、お兄にしたら頑張ったのではないだろうか。
新婦側のご両親と挨拶を交わし、女達はメイク室へ、男達は着替え室へ。結菜ちゃんとお兄は、それぞれの控室へ移動し、衣装に着替えるのだろう。
メイク室の一角で母親達は先に黒留袖を着付けてもらうようで、私は先にヘアメイクをしてもらうことになった。
ハンガーにかけた私のドレスに合わせて、ベースメイクをした後、セミロングの髪を大人っぽく後ろでフワッと結い、清楚な感じにメイクも仕上げてもらい、ガラッと印象が変わった。