ありきたりの恋の話ですが、忘れられない恋です
突然現れるのは心臓に悪いし、2人きりになった途端、緊張するしで、晶兄の発言にツッコミたいが、何をどう問いただしたいのかわからないぐらい、頭の中はパニックになってる。
よりによってなぜ今日なの⁈
新しい恋を探そうと、合コンに参加させてもらう今日じゃなくてもよくない⁈
晶兄に会った後で、合コンを楽しめるはずもない。
でも、新しい恋が待ってるかも…
そう思うと、気が焦る。
早くちょうだいと手を出しているのに、晶兄は意地の悪い笑みを浮かべている。
「お土産は?」
「車の後部座席」
そういい、取ってくれる気はないらしい。
もうと、大きくため息を吐いてから助手席の閉め、後部座席のドアを開けたが、薄暗いせいか、それらしい物が見当たらない。
「どこ?」
「足元にでも落ちたのかな」
腰を屈め、車の中に体を半分入ったところで背中を押されて前のめりになり、体が車内に全部入った途端、後部座席のドアがバタンと閉められた。
ちょっと晶兄…と苛立ち体を起こすまでの間に、晶兄は運転席に乗り込み、ドアをロックして車を走らせていて、現状が把握できない私は、しばらく呆気にとらわれて言葉も出てこないでいた。
どういうこと?
「晶兄」と叫んだ。