ありきたりの恋の話ですが、忘れられない恋です
はい、終わりました。帰る頃には、勘違いして告白した私は、イケメンに振られた可哀想な人になってるやつです!
不倫してるって言われるより、マシだけどね…と半泣きで、コンビニで買ってきたサンドイッチをかじり、お昼からの伝票処理の英気を養った。
そして、定時になり、小倉さんは先にいそいそを帰っていった後、私は、少し店内でDVDの返却処理を手伝うことになり、反対の棚からパートスタッフから哀れみの声が聞こえてきた。
「篠原さんって、昔、二股かけられて振られたんだって…」
「そうらしい。振られたけど、その男とまだ続いてるって話よ。相手には奥さんがいるってきいたわ。不倫してるから、彼氏を作らないって言ってるらしいわよ」
……
最悪な方向に話が…慌てて彼女らに近寄った。
「今、聞こえたんですけど」
気まずい顔をして目配せする2人。
「振られたのは本当ですけど、二股も不倫もしてません。噂を鵜呑みにして言いふらさないでください」
「あら、そうなの!そうだと思ったのよ。篠原さんが不倫なんてね…小倉さんの話だから、私達、信じてなかったのよ。篠原さんに教えてあげる前に、そんな話が出てるって確認しあってただけだから、…みんなにもそう言っておくわね」