ありきたりの恋の話ですが、忘れられない恋です
「みなさん素敵な方なんですけど、申し訳ないですがいません」
よしよしと喜ぶ男性陣に?マークがとんだ。
「あいつに今日のこと話したら、心配してたからさ」
無関心を装ってるが、なんだかんだと妹の恋愛を心配していたのかと少しくすぐったい気がした。
だが、それが勘違いだと気がつくのは数分後の話。
「えっ、話したんですか?」
「合コンのメンツは鳴海ちゃんから聞いてたし、知ってて言わなかったら、怒鳴られるだけじゃすまないからね」
過保護なお兄なんて想像できないなと疑問が浮かぶ私の横で、鳴海がごめんと謝ってきた。
まぁ、別に知られたからといって、何かあるわけじゃないので、気にしないでいた。
「逆に俺がいる合コンでよかったって感謝してほしいよ。晶斗」
私の背後を見て、ニヤつくので恐る恐る振り返ったら
「晶兄」がいて叫んでいた。
それも、未遂事件の時のように、不気味な笑顔で立っていて、隣で鳴海が「うわっ、あの笑顔。やっぱり嫌いだわ」と呟いていた。
私の方は、合コンに参加すると知った彼が乗り込んできたことで、気がついてしまった。
あいつとは晶兄のことだと理解した瞬間、腕を掴まれて
「ノンちゃん、帰ろう」と、優しくいう晶兄。