ありきたりの恋の話ですが、忘れられない恋です
「…よかった。もう、間違いないですむ。3年前、のあが勇気を出して告白してくれた時、本当はすごく嬉しかったんだ」
「うそ…結婚するって振ったじゃない」
「その前から、この3年間までの話をしないといけないと思う。聞いてくれるか?」
「うん」
「初めは妹みたいな気持ちで望愛を見ていた。望愛が高校受験の時に勉強を教えてたろ。俺達の高校って、望愛のあの時の成績じゃ絶対入れないレベルだったよな。それなのにちょっと意地悪して、50番に入れなんて無理な約束に一生懸命でさ、可愛かった」
「あれって意地悪だったの?」
「まぁね。一夜で50番内になんて無理な話なのにさ、わざわざ、報告してきたろ。なんかもう、望愛が可愛くて可愛くて、つい、勉強を教えることになってた。わかるまで貪欲に質問して来るし、なんとかしてやりたいって思うようになったその頃から多分、望愛が好きだったと思う。…でもさ、まだ望愛は未成年だったし、俺は20歳を過ぎた大人で、未成年に欲望を向けるわけにいかないだろ。だから、まぁ、若かったし、その場限りの女で紛らわしていた」
「サイテー」