ありきたりの恋の話ですが、忘れられない恋です
「ある日、彼女に告白されて、付き合うことにしたのは望愛に似ていたからだ。彼女というより、都合のいいセフレだ。望愛の代わりにして抱いてた」
「ほんと、サイテー発言ありがとう。プロポーズの返事撤回していい?」
「指輪受け取ったろ。撤回は受け付けない」
「もう、私だけって約束して」
「約束する。2度と後悔なんてしたくないからな」
あの頃の望愛はどんどん綺麗になっていき、男が放っておくはずがなかった。だが、望愛の心には俺がいたから気がつきもしていなかったと思う。いつか、自分以外の男が望愛に触れる姿を想像したら、耐えられないと悟った俺は淳弥に胸のうちを話し、望愛と付き合いたいと願った。
が、友人が妹と男と女の関係になるなんて想像したくなかった淳弥に、望愛が社会人になるまで手を出すなと約束させられた。仕方なく常に、彼女の周りに目を光らせ、近寄る男がいないことを確認する日々だった。
やっと、思いを告げられると思った俺は、女との関係を整理する為に別れを告げようとして天罰が下った。