ありきたりの恋の話ですが、忘れられない恋です
まぁ、ここまでの出来事は望愛には内緒だ。
「望愛が告白してくれた日、彼女から妊娠したって告白されてたんだ」
望愛とお互いの思いが実るはずが、絶望した瞬間だった。避妊は100%じゃないとわかっていたが、気をつけていたはずなんだ。
妊娠なんてありえないと何度も思った。
「そうだったんだ…」
だが、自分の行いを受け入れ、妊娠したと話す彼女を信じ、結婚すると決めたことが失敗だった。
ショックを隠せない望愛の手を握った。
「自業自得だ。俺は、彼女を大事にしようと決めて、望愛の気持ちを傷つけた」
ごめんな…と彼女のぶたれた頬を労った。
お腹が大きくなる前にと籍だけをいれ、安定期を過ぎたら結婚式を挙げる予定で一緒に暮らしだした。だが、安定期を過ぎても彼女のお腹が目立って来なかった。
「半年を過ぎても妊娠してたはずの彼女のお腹が、大きくならなかった。問い詰めたら流産したって言いだして、ずっと黙ってたなんて信用できないだろ⁈子供がいたから結婚したのに…流産してたなんてありえない。すぐに離婚話をしたよ。それから、もめて泥沼だった」