ありきたりの恋の話ですが、忘れられない恋です
彼女は、俺が誰かの身代わりに抱いていたことをなじり、慰謝料を請求してきた。それで済むならと払おうとすれば、愛してるから別れたくないとせまり、俺が拒絶すれば、近づく女を全て排除してやると敵意を向けきた。望愛の存在をしられれば、彼女に危害が及ぶと恐れた俺は、望愛の存在を隠し通すことにした。
全てが解決するまで会わないと誓ったのだ。
これも望愛には言わなくてていいことだから声に出さない。
「時間をかけて説得し、償えることは、できるだけ償ってきた。3年近くかけてやっと、離婚にこぎつけそうだった。後もう少しだと気持ちが浮ついてたんだろな…淳弥の結婚式で再会したら望愛への愛しい気持ちが止まらなかった」
また、チュッと悪戯に唇を奪った。
「…もう、真面目な話してるのに」
そういいながらも嬉しそうな声に俺の頬が緩む。
「気をつけてたのに、望愛の存在を彼女はどこかで知ってたらしい。守るって約束したのに怖い思いさせて悪かった」
「いいの。どんな理由があっても不倫してたことに変わらないよ。頬を叩かれるだけで済んでよかったって思うことにする」
テーブルを挟んで望愛の頭を胸にぎゅっと抱き締めた。