ありきたりの恋の話ですが、忘れられない恋です
「望愛に手を出されて、俺の忍耐も切れたよ。うちの顧問弁護士を通じて、今まで集めた証拠を突き出してやったら、素直に離婚に応じたってさ。だから、もう、安心だからな」
「証拠って?」
「内緒だ」
実は妊娠なんてしていなかったという事実…
この3年間、俺から巻き上げた金で豪遊し、一応、既婚者の分際にも関わらず次々と男を変えて浮気していたという事実…
なんとなくわかっていたが、ずる賢くて、確たる証拠を水面化で集めるのに時間がかかりすぎたからで、俺のメンツが保てないので言わない。
まぁ、流れで、ブックオーシャングループ海林堂の本部長であるとついでに打ち明けたら、驚いて頭を抱えていた。
まぁ、海堂なんて名字は、ここら辺ゴロゴロいるから気が付かなったらしく、淳弥は、ほんと、この3年間、望愛には俺のことを何一つ話てなかったのだと、恨めしく思った。
聞き終わった望愛は、あの時は傷ついたが、妊娠したという彼女に堕胎を進めていたら、軽蔑していたと言う。
サイテーって何回か言われたけど、本当に、軽蔑されなくてよかったと心底思った。
お互いの気持ちをもっと早く確かめ合っていればと、
いまさら、過去を後悔して語っても、時間は戻らない。
「これからを大事に一緒に歩いて行こう」
けど…なんとなく望愛は腹を立てていた。