ありきたりの恋の話ですが、忘れられない恋です
突然俺に向かって「バカ」と何度も叫び、その度に「ごめん」と謝るけど、何に腹を立てているのかわからない。
なんの障害もなくなった今、3年のブランクを埋めようと一気に結婚話まで進めようと思うのに、何を怒っているのだろうか?
「お腹に赤ちゃんできてるかもしれない。早く結婚しよう」
相手が違うだけで、こうも甘く変われる。
「私が怒っている理由がわかったらね」
「わからないな…俺は1日でも早く望愛と一緒に暮らしたい。望愛は、お腹が大きくなる前にウェディングドレス着たくないのかな?」
「妊娠してない可能性もあるのに、確信してるのはどうして?」
「愛してるから…妊娠してほしいって願って抱いたからね。だから、絶対、赤ちゃんできてるよ」
望愛の生理の周期を知っていて、繋ぎとめる為に、孕めとわざとゴムをつけずに行為におよんだ俺は、確信犯だ。
まぁ、嫌われるから言わないけど…
「愛してるって言葉でごまかされないから…わかるまで結婚しない」
早くて2ヶ月後には、気持ちも変わるだろう。
「なら、俺は結婚の準備を始めてるよ」と笑った。
予想通り、2ヶ月後には望愛の気持ちが変わり、先に籍を入れて、待ちに待った今日は、結婚式だ。