ありきたりの恋の話ですが、忘れられない恋です
安定期に入り、少しふっくらとしたお腹に手を添える望愛の為に、披露宴会場の俺たちの席はソファを用意してもらった。
望愛の体の負担を少しでも減らしてあげたいと、披露宴は、割とアットフォームでくつろげるようになっている。
中央に設けられたステージ席は、後で望愛と俺の最高のイベントの為のものだった。
そこに突然立った淳弥の話に、あちらこちらで談笑していた出席者達が耳を傾け出したのだ。
「ここにいる出席者の半数はの皆さんは、僕の結婚式に出席してくださった方々だと見受けられます。思い出してみてください。あの日、友人代表のスピーチをしたのは誰でしたか?そうです、ここにいる妹婿で僕の親友です。なので、お礼に僕も友人代表のスピーチをさせて頂きたいと思うので、皆様、ご静聴お願いします」
何を言うつもりなのだと淳弥を睨みつけたが鼻で笑われた。
あー、やられたと顔を覆った。