愛は知っていた【完】
「大好きだよ、お兄ちゃん」
でもこれまでとは違う好き。
一人の男としてではなく、一人のお兄ちゃんとしての、所謂家族愛ってやつだ。
春は別れの季節であり、出会いの季節でもある。
必然的に感情が大きく移りゆく季節なのだ。
さようなら、私の初恋。
はじめまして、明日に立つ私。
電車の中から手を振るお兄ちゃんに、私は目を細めて手を振り返す。
ふわりと宙を舞う雪の冷たさとは裏腹に、心はじんわりと温かい。
私の恋路にはようやく雪解けの季節が訪れたらしい。
そのうち新たな緑が芽吹くことを祈って、私はそっと瞳を閉じたのだ。
でもこれまでとは違う好き。
一人の男としてではなく、一人のお兄ちゃんとしての、所謂家族愛ってやつだ。
春は別れの季節であり、出会いの季節でもある。
必然的に感情が大きく移りゆく季節なのだ。
さようなら、私の初恋。
はじめまして、明日に立つ私。
電車の中から手を振るお兄ちゃんに、私は目を細めて手を振り返す。
ふわりと宙を舞う雪の冷たさとは裏腹に、心はじんわりと温かい。
私の恋路にはようやく雪解けの季節が訪れたらしい。
そのうち新たな緑が芽吹くことを祈って、私はそっと瞳を閉じたのだ。