愛は知っていた【完】
「おにいちゃ……っ、好きだよぉ……」
今でさえ心臓が捻り潰されそうなほど苦しいのに、兄妹という壁の他に、お兄ちゃんに彼女ができたという決定打まで突き付けられたというのに、困ったことに私の想いが薄れることはなかった。
初めは時の流れに伴い、この恋心も自然と過去のものになると思っていた。
そうなることを期待していた。
なのに、私の想いはその期待を裏切り募るばかりだった。
お兄ちゃんが先輩と付き合い始めてから、私は一人で夜を過ごすようになった。
お風呂も、布団の中でもひとりぼっち。
お兄ちゃんのことを想って、声を殺して泣いていた。
自分の感情なのに全くコントロールができない。
歯痒くて仕方がなかった。
そのうち登校もお兄ちゃんとではなく友達とするようになって、学校でお兄ちゃんを見かけても軽く手を振る程度になって、私はお兄ちゃん離れをしようと必死だった。
今でさえ心臓が捻り潰されそうなほど苦しいのに、兄妹という壁の他に、お兄ちゃんに彼女ができたという決定打まで突き付けられたというのに、困ったことに私の想いが薄れることはなかった。
初めは時の流れに伴い、この恋心も自然と過去のものになると思っていた。
そうなることを期待していた。
なのに、私の想いはその期待を裏切り募るばかりだった。
お兄ちゃんが先輩と付き合い始めてから、私は一人で夜を過ごすようになった。
お風呂も、布団の中でもひとりぼっち。
お兄ちゃんのことを想って、声を殺して泣いていた。
自分の感情なのに全くコントロールができない。
歯痒くて仕方がなかった。
そのうち登校もお兄ちゃんとではなく友達とするようになって、学校でお兄ちゃんを見かけても軽く手を振る程度になって、私はお兄ちゃん離れをしようと必死だった。