愛は知っていた【完】
「もう朱里を楽にさせてやってくれないか?」
白井先生は確かにそう言ったのだ。
朱里を呼び捨てにしているというところもそうだが、その後に続いた言葉にはそれ以上に驚かされた。
「朱里は君が知らないところでたくさん泣いてたくさん苦しんでいる。自傷行為や過食嘔吐をして、自分の行いが正しいのか間違っているのか訳が分からなくなって、それでも君が自分を求めてくるからその期待に応えなければと、道徳に逆らって辛い日々を送っている。君が依存するからこんなことになったんだ。これ以上朱里を傷付けたくないのであれば、もう彼女と肉体関係を持つことはやめてほしい」
こちらに発言する隙を与えずに、白井先生が語った実情に脳内が千々に乱れる。
気が動転しそうなほどの真実を突き付けられ、最初はでっち上げた空事なのではないかと白井先生を疑いもしたくらいだ。
しかし先日見た朱里の手首にあった不審な傷が想起され、俺は白井先生がまだ何かを喋っているにも関わらず無言で通話を終了させた。
白井先生は確かにそう言ったのだ。
朱里を呼び捨てにしているというところもそうだが、その後に続いた言葉にはそれ以上に驚かされた。
「朱里は君が知らないところでたくさん泣いてたくさん苦しんでいる。自傷行為や過食嘔吐をして、自分の行いが正しいのか間違っているのか訳が分からなくなって、それでも君が自分を求めてくるからその期待に応えなければと、道徳に逆らって辛い日々を送っている。君が依存するからこんなことになったんだ。これ以上朱里を傷付けたくないのであれば、もう彼女と肉体関係を持つことはやめてほしい」
こちらに発言する隙を与えずに、白井先生が語った実情に脳内が千々に乱れる。
気が動転しそうなほどの真実を突き付けられ、最初はでっち上げた空事なのではないかと白井先生を疑いもしたくらいだ。
しかし先日見た朱里の手首にあった不審な傷が想起され、俺は白井先生がまだ何かを喋っているにも関わらず無言で通話を終了させた。