愛は知っていた【完】
事情が事情なだけに、俺達が実の兄妹であることも否定されたのを心底から喜べない状況であることくらい察しがつく。
現に隣にいる朱里は視線を伏せて黙り込んでしまっている。
声をかけるか否か俺が決めかねていると、顔を上げた朱里が「大丈夫」と薄っすら微笑んだ。
それから実直な眼差しで両親を交互に見ると、深々と頭を下げた。
「お父さん、お母さん、こんな私を今まで育ててくれて本当にありがとうございました。私は、お兄ちゃん……輝雪さんと必ず幸せな家庭を築きます」
朱里の口から飛び出してきた突然の表明には、俺も両親も面食らってしまう。
確かにこのタイミングで事実を打ち明けてくれたということは、俺達の結婚を認めてくれていると捉えることはできなくもないが、いくらなんでも話の流れ的に急すぎるというか、何気に逆プロポーズされた感が否めなくて悔しいというか。
まさかの事態に場の空気が一変して、両親も思わず笑いを零していた。
現に隣にいる朱里は視線を伏せて黙り込んでしまっている。
声をかけるか否か俺が決めかねていると、顔を上げた朱里が「大丈夫」と薄っすら微笑んだ。
それから実直な眼差しで両親を交互に見ると、深々と頭を下げた。
「お父さん、お母さん、こんな私を今まで育ててくれて本当にありがとうございました。私は、お兄ちゃん……輝雪さんと必ず幸せな家庭を築きます」
朱里の口から飛び出してきた突然の表明には、俺も両親も面食らってしまう。
確かにこのタイミングで事実を打ち明けてくれたということは、俺達の結婚を認めてくれていると捉えることはできなくもないが、いくらなんでも話の流れ的に急すぎるというか、何気に逆プロポーズされた感が否めなくて悔しいというか。
まさかの事態に場の空気が一変して、両親も思わず笑いを零していた。