愛は知っていた【完】
体中から力が抜けていく。
お兄ちゃんとの思い出に浸っていたら急に心苦しくなって、それからすーっと脱力して、なんだかもう、何もしたくなくなった。
……駄目だ、考えるのは止めよう。
見れば時計の針は既に当番の時間が終わっているのを証明していて、私は二つ折りにしたプリントを教科書の間に閉じ鞄の中に入れた。
続きは帰ってからでいいや。
文房具を片付けて誰もいなくなった図書室の戸締りを済ませた私は、職員室に鍵を返却するなり玄関に急いだ。
窓の外はすっかり日も落ち薄暗くなっている。
一人で帰るからなるだけ人通りの多い道を行こうかな。
まぁこの辺り田舎で元々あんまりひと気が無いのだけれど。
校舎を出て校門まで歩いていたら胸を締め付けられる光景が目に映った。
ちょうど野球部の面々も練習を終えたところなのだろう。
制服姿で帰路につくお兄ちゃんの隣には、彼女である先輩がいた。
そうだよね。付き合ってるんだもん。一緒に帰って当然だよね。
お兄ちゃんとの思い出に浸っていたら急に心苦しくなって、それからすーっと脱力して、なんだかもう、何もしたくなくなった。
……駄目だ、考えるのは止めよう。
見れば時計の針は既に当番の時間が終わっているのを証明していて、私は二つ折りにしたプリントを教科書の間に閉じ鞄の中に入れた。
続きは帰ってからでいいや。
文房具を片付けて誰もいなくなった図書室の戸締りを済ませた私は、職員室に鍵を返却するなり玄関に急いだ。
窓の外はすっかり日も落ち薄暗くなっている。
一人で帰るからなるだけ人通りの多い道を行こうかな。
まぁこの辺り田舎で元々あんまりひと気が無いのだけれど。
校舎を出て校門まで歩いていたら胸を締め付けられる光景が目に映った。
ちょうど野球部の面々も練習を終えたところなのだろう。
制服姿で帰路につくお兄ちゃんの隣には、彼女である先輩がいた。
そうだよね。付き合ってるんだもん。一緒に帰って当然だよね。