君のブレスが切れるまで
 それなりの時間が経ってようやく動けるようになった頃、気がつくと雨が降っていた。しばらく気づけなかったのは高架下にいたからか。
 さっきの子はこれを予感して、傘を差していたのだろうか? いや、とにかく雨に濡れることだけは避けたい、少し雨が止むのを待ってから家に帰ろう。
 痛む体をゆっくりと起こし、立ち上がる。


「ふっ……く、はぁ……」


 そして私は壁にもたれかかるように背中を付け、体育座りでその場にしゃがみ込んだ。
 体中が痛い、帰りたくない。帰ったら帰ったで、また痛いことが待ってる。でも、ずっとここにいるわけにもいかない。
 何もしていなかったら、思考はどんどん悪い方へと転がっていくのを知っている。いや、何かをしていても変わらないのかもしれない。
 最終的に私はいつも思うことがある。どんな思考を重ねても、ここに辿り着いてしまう。


「ああ……もう辛い。死にたい……」


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