君のブレスが切れるまで
『やめろ! 離せ!』
『貴女たちはこれから、あたしのおもちゃになるの。くくく……』
『くそっ……! 何をするつもり、や……やめ……』
『始まっちゃった、あやかがこうなると止められないからなぁ』
『ふふふ。しっかり押さえてるから、大丈夫だよー』


 地面へと突っ伏して動けなくなった女は放っておき、生意気な口を聞く女から徹底的に痛めつける。そして二人が従順なお人形に変わり果てたところで様々なことをやらせるのだ。スマホで撮った写真をチラつかせれば、彼女たちはよく働いてくれる。
 もちろん万引き等、喋られれば足のつくような馬鹿げたものはしない。痴漢の犠牲になってもらうのだ、駒を使えば効率的に痴漢からお金も巻き上げられる。
 援助交際の駒として使えると知ったのも、この頃だった。


 いくら人生を壊せると言っても、あたしらが寃罪をやらないのはリスクが高すぎるのを知っていたから。ま、そんなことをしなくとも痴漢をやめられない、脳と下半身の直結しているおっさんは腐るほどいたわけだが。
 それを見つけるのもあたしの強運が為せる技でもある。


 それから高校に入っても、あたしたち三人は一緒だった。
 どうやらこの二人も、元々頭の良かった子たちだったみたいで入学には苦労はなかった。
 ある一定の学力になると、馬鹿みたいな不良なんてものはいなくなる。代わりに大人しそうな学生ばかりになり、同級生だろうが先輩だろうが力で言うことを聞かせられた。
 高架下を使うようになったのはこの頃だ。ここはあまり人が通らないし、通ったとしても誰も通報なんてしない。


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