君のブレスが切れるまで

第15話　未来

　２０１７年　９月


　夏休みも終わりを告げ、今日からまた学校生活が始まる。
　世間的に９月と言うのは秋なのだろうが、たった数日程度で夏から秋に変わるなんてことはない。その証拠にここ、始業式で使われる体育館は死ぬほど蒸し暑い。


　どうやらあやかは死んでいなかったみたい。今も意識不明の重体で集中治療室(ＩＣＵ)にいるそうだが、校長先生の長い話によると夏休みの間、他の生徒も事故にあったらしい。
　私の目の前で事故にあったあやかはともかく、あやかの取り巻きだった二人。彼女たちもなんらかの事故に巻き込まれ、死にはしなかったけどそれぞれ重体だと。


　両親の死と叔父の死、そして三人が事故に巻き込まれるという立て続けに悪い事件が起きている。私としては悪いことだとは思わないけど、世間一般的に見れば悪いことが重なっていると言っても過言じゃない。


　あの子の噂は自分に関わる人が不幸になるというもの。けれど、両親や叔父にあの子は直接関わっていないはず。噂が本当だとするならば、それは雨じゃなく私じゃないといけないはずなのだ。


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