君のブレスが切れるまで
『奏、お父さんのこと嫌いよね?』
どうして私にそんなことを聞いてくるの? それもお父さんがいない時に。
『奏は母さんのこと、どう思う? 酷いと思わないか?』
なんでお母さんがいない所で、聞いてくるの? 私に言われても困るよ。
ずるい。そうやってお互いのいないところで、子どもの私に悪口を吹き込んでくるのはずるいよ。
私はお父さんもお母さんも好きだったのに、毎日のように聞かされたその言葉は嫌で嫌で仕方なかった。あんなに大好きだったのに、どうしてこうなっちゃったんだろう。
二人はいつも喧嘩ばかりだったから、家に居るのが怖かった。
子どもの頃はよく外で遊んでいた。低学年の時よりもずっと多く遊んでいたと思う。
性格が臆病になっていったのはその頃からだったのかも、やっぱり寝る時に聞こえてくる両親の怒鳴り声は怖かった。
どんなに怖くても、夜は外に逃げることなんてできない。真っ暗な外には誰もいないんだから。
それから数年が経って、中学二年生の頃。お父さんとお母さんが交通事故で死んだ。
どうして私にそんなことを聞いてくるの? それもお父さんがいない時に。
『奏は母さんのこと、どう思う? 酷いと思わないか?』
なんでお母さんがいない所で、聞いてくるの? 私に言われても困るよ。
ずるい。そうやってお互いのいないところで、子どもの私に悪口を吹き込んでくるのはずるいよ。
私はお父さんもお母さんも好きだったのに、毎日のように聞かされたその言葉は嫌で嫌で仕方なかった。あんなに大好きだったのに、どうしてこうなっちゃったんだろう。
二人はいつも喧嘩ばかりだったから、家に居るのが怖かった。
子どもの頃はよく外で遊んでいた。低学年の時よりもずっと多く遊んでいたと思う。
性格が臆病になっていったのはその頃からだったのかも、やっぱり寝る時に聞こえてくる両親の怒鳴り声は怖かった。
どんなに怖くても、夜は外に逃げることなんてできない。真っ暗な外には誰もいないんだから。
それから数年が経って、中学二年生の頃。お父さんとお母さんが交通事故で死んだ。