君のブレスが切れるまで
 わかっている。言ってしまえば殴られるのはわかっていた。でも、嘘を言えばもっと酷く殴られるのも知っている。だから、自分で稼いでくると言ったのに。
 叔父は立ち上がり、私の目の前まで距離を詰める。
 来る、嫌だ。
 次の瞬間、叔父は私の髪の毛を掴み、頭を壁へと叩きつけた。


「うぐっ……い、痛い……」
「俺の金をよくも、何やってんだぁぁ‼」
「ごめんなさい! ごめんなさい‼」


 私は謝りに謝り倒す。私が悪くなくても、定期代が元は叔父のお金じゃなくても、謝らなければもっと酷く殴られる。男の人の力は、あの女学生達とは比較にならないほど強く、強烈だ。


「ひっ……!」


 振りかぶられる手に、私は咄嗟の思いで顔を覆い隠すが、衝撃は思わぬところへと走った。


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